弟が突拍子もないこと言いだした

ずっと今までフリーターをやっていた弟が、やっと本気で定職に就く気になったらしい。
と、言うと喜ばしい事に聞こえるが、実際の所はそうもいかないようだ。
何を思ったのか、急に「看護師になりたい」と言い出して、看護学校に通うと言っているのだ。
もちろん、ちゃんと勉強してなれるのであれば看護師はちゃんとした職業だしそれはいいことだ。
弟もまだ20代前半だし、今から勉強しなおして看護師になるのも十分可能だ。
社会人を経験してから転職して看護師になる人も珍しくないようだしそのあたりは問題ない。

しかし、その動機がどうもパッとしないというか、思いつきで言っている感じがする。
本人は前にやった福祉系の仕事がきっかけだとか言っているが、そんなのはずいぶん前の話だ。
しかも、どうせ看護師になるならフライトナースになりたいなどと息巻いている。
フライトナースというのは聞いたことがあるが、最近多いドクターヘリに乗っている看護師のことだ。
病院から専用のヘリで現場に飛んで医師と協力して救急救命にあたる仕事なのだが…
どうもその辺りの話を聞いていると、何かドラマか映画でも見て感化されたとしか思えない節がある。
志を大きく持つのは結構なことだが、その場のノリやらで決めたことが続くわけがない。
特に看護師になるには学校を出るだけでなく、国家試験にも合格しなくてはいけない。
ちょっと勉強してなれるような仕事ではないので、どうせそのうち言わなくなると思っているが。
仮に弟が国家試験に合格し本当に看護師になったとしても、フライトナースになるにはどこの病院でもいいというわけでもないだろう。
ドクターヘリを設置している大きな病院でなければフライトナースになるための経験も積めないだろうし、そういった病院は競争率が激しいのではないだろうか。
果たして、弟はフライトナースになりたい、という夢を実現できる看護師の求人に応募できる日が来るのだろうか・・・