看護専門学校に入るつもりらしい

「看護師になりたい」という弟の話なんてどうせすぐ消えると思っていたが、案外そうでもないようだ。
弟は昔から何かと飽きっぽいタイプで、仕事や趣味でもなかなか続かずにいた。
今回もどうせ思いつきで言っているだけだろうと馬鹿にしていたが、ちゃんと学校の資料なども取り寄せていて割と本気に見える。
しかし、今すでに看護師ならともかく、弟の言うフライトナースになるためにまず学校に入るというのも気の長い話だ。
弟の場合、高卒の資格は持っているので看護専門学校を狙っている。
最近の現役学生の間では看護大学の方が人気があるらしく、高校から看護大学を経て看護師になるルートがメインだそうだ。
看護大学の方が大卒という学歴がつくし、学ぶ内容もより高度だというのがその理由だ。
しかも、看護大学だと看護師と同時に保健師などを取ることもできるという事だが、弟はそこまで考えていない。
大学なら四年かかってしまうし、そこまで時間をかけるつもりもないようだ。
といっても、看護専門学校でも三年はかかるわけだからそれなりに腰を据えてやる必要がある。

それに、専門学校といえども入試には学力試験があるのでそこも問題だ。
入試には数学やら国語やらの科目があるので、それがすんなり通るかどうかは分からない。
本人はちょっと勉強しなおせば大丈夫などと言っているが本当だろうか。
仮に入試は何とかなったとしても、その先また勉強が続くわけなのでちょっと心配だ。
それに、看護専門学校でもやはり生徒のほとんどが女子だ。
男子はクラスに数人というレベルらしいし、すでに20を越えた男が入ってやっていけるのかとも思う。
やはり、社会人が転職して看護師になるというのはなかなか大変に思えるのだが。

看護師になるための学費

さて、看護師に転職してフライトナースを目指すという弟だが、「フライトナース」という職業があるわけではないようだ。
弟が「フライトナースになる」と言っていたので、自分も最初はそういう専門の仕事があるのだと思っていた。
しかし、よくよく調べてみると「フライトナース」とは一種の役職名のようなものだと分かった。
例えば「会社員」とか「野球選手」といった職業を表す言葉と、「部長」とか「ピッチャー」という役割を表す言葉がある。
「フライトナース」も、救急救命の分野に携わっている看護師のうち、ドクターヘリに乗る役割の人をそう言うだけらしい。
だから「フライトナース」の人の職業はあくまでも「看護師」であって、それはその人の役割を指しているにすぎない。
弟も最初は「フライトナース」という独立した職業のように考えていたらしいが、今はちゃんと区別して話している。

それにしても、そのフライトナースになるのであればまず看護師になり、それから経験を積んでいかないといけない。
だから、年数的にも相当かかるし、学費にしても結構な額のようだ。
聞く話だと、専門学校の学費は公立は年間数十万で割合安いが、高いところは100万くらいかかるそうだ。
弟は今まで貯めてきたバイト代で通えるところを狙うと言っているが、その分そこは競争率も高そうな気がするのだが。
それに、おそらく通学中は勉強が忙しくてバイトとの掛け持ちは難しいようにも思う。
もちろんやれないことはないにしても、最初から三年分に当たる学費くらいは用意しておかないと厳しいだろう。
弟にどの程度貯金があるのかは知らないが、一応そのための奨学金もあるとは聞いている。
しかしそれも当然後で返済が必要なものだし、弟が金銭的な部分をどう考えているのかは気になる所だ。